ハープ×フリューゲルホルンという異色かつ極上な組み合わせ
2016年8月3日のランチタイムコンサートは宮本あゆみさんと岩尾浩史さんのお二人による演奏でした。ハープとフリューゲルホルンという異色の組み合わせです。お二人での出演は今回が2回目ということで、とても息の合った演奏をして下さいました。
最初に、演奏会の定番、グノーの「アヴェマリア」を演奏してくださいました。とても有名な曲なので、メロディは皆様よくご存知だと思います。ハープとフリューゲルホルンで奏でるアヴェマリアはとても美しかったです。ハープのきらびやかな音色とフリューゲルホルンのクリアな音色がとてもマッチしていました。
続いて、ルグランの「シェルブールの雨傘」です。シェルブールの雨傘は1964年のフランス映画で、全編音楽のみで出来ています。映画の情景が浮かぶような、お二人の素敵な演奏でした。また演奏前には、宮本さんによる映画のあらすじの紹介もありました。
3曲目には、「見上げてごらん夜の星を」を。坂本九さんのヒット曲としても有名な曲です。ジャズアレンジで、よく吹く機会があるという岩尾さん。「曲の良さを改めて見直したい」と、オリジナルに近いアレンジで演奏をしてくださいました。哀愁のある旋律が会場に響き渡り、昭和にタイムスリップしたような懐かしい気分になりました。
ちょっとブレイクタイムということで、ハープの宮本さんが、このランチタイムコンサートのために1ヶ月前から練習を始めたというトランペットを披露してくださいました。宮本さんの一生懸命な姿と、フリューゲルホルンで温かく伴奏をする岩尾さんの姿に、会場の雰囲気は一段と和やかなものとなりました。
そして4曲目はピアソラ「オブリヴィオン」です。岩尾さんは、この曲をフリューゲルホルンではなく、トランペットよりも音域が高い音がするピッコロトランペットに持ち替えて演奏されましたが、その音色の柔らかさ、優美なメロディにうっとりさせられてしまいました。
最後はアメリカ民謡の「リパブリック讃歌」です。この曲は、ともだち讃歌や、CM曲にも使われているのでご存知の方が多いと思います。
“讃歌”をより思わせるフリューゲルホルンソロで始まり、その後はテンポアップし、華やかなアレンジへ。お二人それぞれのソロパートも見どころでした。会場のお客様の手拍子も交えて楽しい演奏となりました。
お二人の楽しいトークと素敵な演奏で、あっという間に時間が過ぎた30分間でした。
Program
アヴェマリア / C.グノー
Ave Maria / C.Gounod
シェルブールの雨傘 / M.ルグラン
Les Parapluies de Cherbourg / M.Legrand
見上げてごらん夜の星を / いずみたく
オブリヴィオン / A.ピアソラ
Oblivion / A.Piazzolla
リパブリック讃歌 / アメリカ民謡
The Battle Hymn of the Republic / American Traditional
宮本あゆみ (ハープ)
四歳よりピアノ、六歳よりハープを始める。国立音楽大学附属小・中学校ピアノ科を経て高等学校よりハープ科に転科。国立音楽大学卒業。東京音楽大学大学院科目等履修卒業。
これまでにピアノを小原孝、ハープを篠崎史子、柏原靖子の各氏に師事。現在、ソロ、室内楽、オーケストラなど各所で活動をしている。昨年はステラオーケストラのメンバーとして、橋幸夫、中丸三千繪、篠崎史紀などのアーティストと共演。今年3月、サントリーホールにてラヴェルの「序奏とアレグロ」を演奏。
岩尾浩史 (フリューゲルホルン)

