【吉祥寺サロン】サンデーコンサート日程変更のお知らせ
【レポート】第502回 月間加奈さんによるハープ演奏
本日のランチタイムコンサートは月間加奈さんがご出演下さいました。月間さんは前回2016年3月にもご出演頂き、今年2回目のご登場です。

「愛の讃歌」で演奏が始まりました。フランスのシャンソン歌手エディット・ピアフの歌として、また日本では越路吹雪の歌として、とても有名な曲ですので、皆様もよくご存知だったのではないでしょうか。ハープで聴く「愛の讃歌」は、歌とはまた違った美しさがありました。
次の曲は、ゴドフロアの「20のメロディックエチュードより7番」です。このエチュードは全20曲あるそうですが、その中でも月間さんはこの7番がお好きとのことです。”エチュード”は”練習曲”という意味を指すため、つまらない、面白みがないというイメージが強いですが、ゴドフロアのこの曲は、そうは思わせない美しい旋律が特徴ということもお話し下さいました。エチュードが、このように美しい曲でしたら、楽しく練習ができますね。
3曲目には、ヘンデルの「シャコンヌ」を。”とても華やかな曲”と解説して下さった通り、冒頭の繊細な和音が響くと一気に月間さんの演奏に引き込まれ、和音やスケールなど様々な表情を見せて下さいました。
4曲目は、コナンの「ナイチンゲール」です。ハープを習っている方は特に一度は弾いてみたいと思う曲ではないでしょうか。美しさの中にどこか哀愁のあるメロディーが、本当に美しくハープの音色とマッチします。うっとりとする演奏でした。
最後は、ハープを代表する曲といっても良いのではないでしょうか、マックスウェルの「ひき潮」です。華やかなグリッサンドはまさにハープの特徴を活かした奏法で、スタッフも聞き惚れてしまいました。
月間さんの分かりやすいお話しも楽しく、素敵なコンサートとなりました。
月間さんは銀座4丁目にある店舗hanareで、この夏限定、小中高校生のためのハープ特別フリータイムレッスンを担当されています。夏休みの経験にぜひハープを加えてみてはいかがでしょう。
【小・中・高校生限定!この夏だけおトクなハープ特別フリータイムレッスン】
Program
愛の讃歌 / M.モノー
20のメロディックエチュードより7番 / F.ゴドフロア
シャコンヌ / G.Fヘンデル
ナイチンゲール / D.H.コナン
ひき潮 / R.マックスウェル
月間加奈 Kana Tsukima
東京生まれ。6歳からピアノを、10歳からハープを始める。桐朋学園大学音楽学部卒業。同大学研究科修了。これまでに清水梨紗、佐藤厚子、ヨセフ・モルナールの各氏に師事。室内楽等を篠﨑史子、井上美江子の各氏に師事。ハープ新人デビューコンサート出演。音楽大学フェスティバルオーケストラにて合同オーケストラ選抜メンバーとして参加。現在、ソロ、室内楽、オーケストラで積極的に演奏活動を行っている。銀座十字屋ハープ&フルートサロンhanareにて講師を務める。ジュニアコースも開講中。体験レッスン随時受付中。
ハープの歴史 Vol.2 ~アメリカ大陸のハープ~
ハープの歴史 Vol.2 ~アメリカ大陸のハープ~
アメリカ大陸のハープは、他の土地から輸入されたものです。
サンフランシスコからパナマ運河に至る細長い沿岸地帯に住む先住民族たちは、ひょうたん状の果実を共鳴胴に用いた「アルク・ミュジカル」を知っていますが、これの使用は、後に少なくなっていきます。
今日、ラテン・アメリカで演奏されているハープは、スペイン人によって新大陸にもたらされ、現地の先住民が改良を加えたものです。
このハープは「アルパ」(別名インディアン・ハープ)と呼ばれ、かなり大型(5オクターブ程度)で、共鳴胴は太く、ペダルはなく、共鳴胴は2本の脚で支えられています。
指より爪で弾かれることが多く、そのため、昔は爪の硬い男性が演奏することが多かったようです。
硬い爪で弾くので、普通のハープより少々硬く、明るい音が特徴的です。
このハープは、置いて弾かれるだけではなく、踊りを伴う行列に参加することもできました。
その際、演奏者は楽器を持ち上げ、歩きながら弾いていたそうです。
<脚注>※1 アルハンブラ楽器様のご好意により画像を提供していただきました。
【吉祥寺サロン】夏休み短期レッスン 担当講師インタビュー
現在、吉祥寺サロンでは夏休み限定の短期レッスンを募集しています。
詳細はコチラ⇒吉祥寺サロン 夏休み限定短期レッスン「ハープ、フルートにチャレンジしよう!」 開講
新しい事に挑戦する時、まず先生との出会いはとても大事ですよね♪
始めてみようとは思うけど、「教えてくれる先生ってどんな人なのかな?」、「どんなレッスンをするのかな?」と、気になっている方も沢山いると思います。でも、先生がどんな人か知っておけば、レッスンを受ける時もちょっと安心ですよね。
という事で!レッスンを担当している先生2名にインタビューをしてみました。
お二人とも、ご自身が楽器をはじめたきっかけや、楽器の楽しさ、レッスンでの心がけなどを教えてくれています。
まずは先生のことを知って、憧れ、興味を持ってもらえたら嬉しいです♪
さあ!どんな先生が登場するのでしょうか!
きっとインタビューをみたら、2人の先生のレッスンを受けたくなりますよ♪
Q.何歳から楽器を始めましたか? またきっかけを教えてください。
A.5歳からアイリッシュハープを始めました。テレビの音楽番組でハープを見て、憧れたことがきっかけです。
Q.ハープをやっていて良かったこと、嬉しかったことはありますか?
A.思い描いていたような演奏ができた時、お客様が演奏を楽しんで下さった時、嬉しいなと感じます。
Q.レッスンをする時に心がけていることはなんですか?
A.ハープを楽しく弾いていただけるように、それぞれの方に合わせたレッスンを心がけております。
Q.楽器をやってみたいと思っているお子様にアドバイス、メッセージをお願いいたします。
A.楽譜が読めなくても、楽器を弾いたことがなくても、だんだん上手になるので大丈夫です。ハープの優しい音色で、好きな曲を弾いてみませんか?
齋藤 碧 講師(フルート)-Midori Saito-
Q.何歳から楽器を始めましたか、またきっかけを教えてください。
A.3歳からピアノを習っていたのですが、同じくピアノを習っていた姉がピアノがとても上手で、私は違う楽器をやりたいと思って小学5年生の時にフルートを始めました。
Q.楽器をやっていて良かったこと、嬉しかったことはありますか?
A.演奏した後の達成感を味わえるということはとても良かったことですし、幸せなことだと思います。そしてやはり、他の方と一緒に共演して、演奏を楽しむことができるということは、とても嬉しいことですね。
Q.レッスンをする時に、心がけていることはなんですか?
A.フルートの音やハーモニーを楽しんでいただくということを心がけています。
Q.楽器をやってみたいと思っているお子様にアドバイス、メッセージをお願いいたします。
A.何か一つのことを自分なりの趣味や特技にすることはとても大切な事だと思います。フルートの音のハーモニーを一緒に楽しんでみませんか?
いかがでしたでしょうか?二人とも優しそうな先生ですね♪
なんと!今なら、2016年8月20日(土)まで、上記2名講師の体験レッスンを通常1,080円のところ、特別に無料でご案内させて頂きます!
<無料体験レッスンお申込方法>
① 下記、「オンライン予約の方は、こちらから」をクリック。
②「吉祥寺サロン」「ハープ」または「フルート」にチェックを入れ、「表示」をクリック
③ 【無料】体験レッスン【桝田講師】【齋藤講師】という表記のある日時をクリック。
※【無料】体験レッスン【○○講師】という表記の無い箇所は、有料(1,080円)です。お気を付け下さい。
④ 入力フォームに沿ってお申込ください。
電話予約の方は、以下の番号へ直接おかけください。
0120-977-880(音声ガイダンスに従って、2番 「吉祥寺サロン」をお選びください)
※ご予約の際に、「インタビューをみた」と仰ってください。
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銀座サロン講師陣へインタビュー!<ハープ編>
銀座サロン講師陣へインタビュー!<フルート編>
第504回 宮本あゆみさん(Hp.)と岩尾浩史さん(F.Hr.)による演奏
BOWBRAND社 ハープ弦 一部販売数制限につきまして
銀座十字屋オンラインショップをご利用いただきまして、誠にありがとうございます。
この度、BOWBRAND社製ナチュラルガット弦につきまして、原材料が世界的な供給不足に見舞われていることにより、弊社にて在庫薄となっております。
在庫品のナチュラルガット弦を、少しでも多くのお客様へ安定して販売させて頂く為、誠に勝手ではございますが、在庫状況が安定するまでの期間、ナチュラルガット弦に限り販売制限をさせていただくこととなりました。
販売数制限内容は、BOWBRAND社製ナチュラルガット弦をお一人様につき2本までとさせていただきます。
何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
今後は商品在庫の強化に努めてまいりますので、引き続きご愛顧賜りますようお願い申し上げます。
銀座十字屋オンラインショップ一同
ハープ、フルートの楽譜、弦やハープの必需品から、ハープそのものもオンラインショップでご注文いただけます。アフターサービスも店頭と同様ですので、安心してお買い求めください。
ハープの歴史 Vol.3 ~西欧のハープ~
ハープの歴史 Vol.3 ~西欧のハープ~
西欧のハープの起源は現在のところはっきりとは解明されていません。
一説によれば、紀元前1100年頃に南スペインに侵入したフェニキア人が数々の楽器とともにハープをもたらしたと考えられています。西洋最古の記録としては、イギリスで発見されたアレキサンダー大王時代の壷にハープの姿が描かれています。
西洋のハープは、中世初期は歌の伴奏ではなく、主に詩の朗読の伴奏に使われていました。
ハープは特にアイルランド地方で重んじられ、13世紀の国の紋章にも、10世紀末にデンマークを征服したブライアン=ボルー王のものと思われるハープが描かれています。
中世のハープはディアトニック(全音階)でできていましたが、16世紀になり、クロマティズム(半音階)が少しずつ音楽の世界に広がり、半音階を出すことのできないハープは、徐々に敬遠されるようになりました。このことを重くみた当時の楽器製作者たちは、弦の数を増やすことを思いつき、それを徐々に改良し、「アルパ・ドッピア」という二重のハープを作ることに成功しました。片方にはディアトニックな音階を、もう片方にはクロマティックな音階を出せるというハープです。
その後、さらに改良が加えられ、第三の弦列が加えられたハープも誕生しました。これらのハープはしばらくの間用いられましたが、あまりにも弦が多すぎて、演奏が困難なのと、楽器自体も3列の弦の巨大な張力に耐えられるようには出来ていなかったという理由から徐々に衰退して行きます。
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トリプルハープ / Thurau Harfenmanufaktur製(※2)
ナーデルマン作のハープ
(※3)
1660年頃、チロル地方の楽器製作者たちが、ハープの弦倉(上部で弦をうける部分)にフックを並べて取り付け、これを手で動かすことによって音を半音上げる装置を作りました。こうすることで、1本の弦で異なる二つの音を出すことができるようになったのです。しかし、ひとつのフックでひとつの音しか変えられず、また、フックを動かす間は片手で演奏しなければならず、演奏家達を再びハープに振り向かせるには不十分でした。
1697年に、当時の楽器製作者ホッホブリュッカーが、ペダルの操作によってひとつの音をオクターブ同時に半音上げる仕組みを考え付きました。ハープの台の両脇に五つのペダルを取り付け、それぞれが、ド、レ、ファ、ソ、シ♭に対応していたそうです。(当時のディアトニックハープは、ファの調、つまりヘ長調に調律されていたようです。)ホッホブリュッカーは、このハープに更なる改良を加え、1790年に、音階上の七つの音全てに対応する7つのペダルを取り付けたハープを発明しました。これによりハープは、様々な調に対応することができるようになったのです。シングルハープ誕生の瞬間でした。
このハープはその後、製作者の長男ジモンによって、ウィーンの宮廷に紹介され、1749年にドイツのハーピスト、ゲープフェルトがフランスに持ち込んだのをきっかけに、さかんに用いられるようになりました。
このときから、ハープは相当にもてはやされるようになりました。フランス宮廷でハープが奏でられることが盛んになり、ハープ教師はこぞってパリを訪れたそうです。この俗物的な流行のおかげもあり、ハープは音楽家たちの興味をひきました。その後、18世紀末には、ハープのために書かれた音楽の著しい増加が見られました。かの有名なマリー・アントワネットもハープ奏者で、彼女のお抱えのハープ製作者、ナーデルマンの製作したハープは今も尚、その原型をとどめたまま博物館などに保管されています。
エラール作のハープ
(※3)
18世紀のパリのハープ製作者たちは、このシングルアクションのハープに更なる改良を試みました。パリのハープ製作者ルーヴェとサイモンは、より大きな音量を得る為に、従来のハープより丈の高いハープの設計を試みました。また、デザイン面でも、それまで褐色の木材で作られていたハープに装飾を施そうとも考えだしました。これ以後、18世紀のフランスのハープは、金粉やガラス細工、彫刻などを施され、室内装飾の一要素にまでなったそうです。
時は経ち、マンハイム楽派の人々が近代管弦楽を興し、ロマン派音楽の改革を用意したころ、ハープは製作家たちのあらゆる発明、工夫にもかかわらず、再び衰退の一途をたどっていました。ハープの未来に危機を感じた作曲家のクルムフォルツは、当時オルガンやピアノの改良で有名になっていたセバスチャン・エラールを訪ね、ハープのメカニズムに目を向けてくれるよう頼んだそうです。彼はすぐに研究に着手し、そして、長年かけて行った、彼の挫ける事なき努力が、「ア・ドゥーブル・ムーヴマン」(ダブル・アクション)と呼ばれる最初のハープを完成させました。
この楽器は、各弦とも、三段階に音の高さを変えることができました。エラールはこのハープに満足せず、さらに研究を続け、ついに1811年、ロンドンで、多少の変化は加えられたものの、現在の型とほとんど変わらない形のハープを発表しました。このハープはたちまち成功を招きました。この年、彼はこのハープに二万五千ポンド(現在の日本円にして約400万~500万円相当)の値をつけました。1828年までには3500台のハープを作ることになりました。現在のハープのメカニック部分のしくみも、セバスチャン・エラールによって発明されたものです。その後エラールのハープは様々な楽器製作者の改良によって、現在の形になっていきます。現在ではイタリアのSALVI HARPS、アメリカのLYON&HEALY、日本の青山ハープをはじめ、様々な製作者によりハープは作られ続けています。

現代のハープ(ペダルハープ) MINERVA/Salvi Harps
<参考文献>
エレーヌ・シャルナセ、フランス・ヴェルニヤ、浜田 滋郎訳、「第1章 ハープ」『ハープ、リュート、ギター』、白水社(文庫クセジュ):東京、1972年、1-36頁。<脚注>
※2 このハープを製造したドイツのメーカー、Thurau Harfenmanufaktur様のご好意により画像を提供していただきました。
※3 Museo dell’Arpa Victor Salvi 様のご好意により画像を提供していただきました。
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ハープの歴史 Vol.2 ~アメリカ大陸のハープ~
【日曜開講】 夏休み!お子さまのためのハープおためし1ヶ月レッスン
【レポート】第503回 桝田 希さん(Hp.)と飯島 和葉さん(Vn.)による演奏
ハープとヴァイオリンのマリア―ジュ
梅雨明けし、いよいよ夏本番ですね。
2016年7月27日のランチタイムコンサートは、ハープを桝田希さん、ヴァイオリンを飯島和葉さんが演奏して下さいました。
ハープとヴァイオリンの組み合わせは、構造は違えど同じ弦楽器の仲間だからでしょうか、とても調和のとれた響きがします。
まず1曲目にエルガー作「朝の歌」を披露して下さいました。爽やかなメロディーが響き渡り、気分が一気に明るくなるような演奏でした。
次に披露して下さったのはパラディス作「シチリア―ノ」です。パラディスは女性の音楽家で、若い時に失明したそうです。冒頭のゆったりとしたメロディーがとても印象的でした。
3曲目はハープ桝田さんの独奏です。ガーナー作「ミスティ」というジャズナンバーではお馴染の曲を弾いて下さいました。ハープで聴くジャズというのも、また味わいがあってとても良いです。甘い雰囲気の曲で、昼間でありながら、夜の銀座を思わせる雰囲気を感じました。
4曲目からは、ヴァイオリンの飯島さんが再度ご登場です。フォーレ作「パヴァーヌ」を演奏して下さいました。とても哀愁のある美しい曲で、思わずうっとりとしてしまいました。
5曲目にはレ・ペラ&プラザの「ポル・ウナ・カベサ~パジャドーラ」です。タンゴの有名な曲で、浅田真央選手も以前エキシビションで使用したことがあるため、皆さんもどこかで聴いたことのある曲ではないでしょうか。ダンスナンバーらしい、力強い演奏が印象的でした。
最後にラヴェル作「亡き王女のためのパヴァーヌ」です。柔らかな美しいメロディーが響き渡り、ゆったりとした気持ちになれました。
桝田さんと飯島さんお二人の息の合った演奏で、ハープとヴァイオリンの音色の心地良さを改めて実感した30分間でした。
来週の水曜日もランチタイムコンサート開催いたします。
暑い日が続きますが、ランチタイムコンサートは涼しい場所でハープやフルートなどの生演奏が聴けますので、ぜひお立ち寄りください♪
Program
朝の歌 / E.エルガー
シチリアーノ / M.T.von.パラディス
ミスティ / E.ガーナー
パヴァーヌ / G.フォーレ
ポル・ウナ・カベサ~パジャドーラ / レ・ペラ&プラザ
亡き王女のためのパヴァーヌ / M.ラヴェル
桝田 希 Nozomi Masuda ~ハープ~
東京音楽大学付属高等学校、東京音楽大学卒業。同大学院、桐朋学園大学研究科修了。大学院在学中、特待奨学生。日墺文化協会オーディションに合格、サントリーホールブルーローズにてフレッシュコンサート、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭に出演。Music Alpに参加。第14回大阪国際音楽コンクール弦楽器ハープ部門第1位、審査委員長賞、神戸市長賞、松尾博賞受賞。コンチェルトオーディション第3位、リサイタルコース弦楽器部門エスポアール賞受賞。副賞としてリサイタルを開催。第25回日本ハープコンクールプロフェッショナル部門第4位入賞。現在、ソロ・室内楽・オーケストラなどで演奏活動を行っている。
飯島 和葉 Kazuha Iijima ~ヴァイオリン~


暑い夏にハープで弾きたい!スタッフおすすめ”夏”の曲
皆様こんにちは。これから、本ブログ内でハープやフルートのため楽譜の新・再入荷商品をはじめ、コンクールの課題曲や、私がおすすめするハープ曲などをご紹介していきたいと思っています!また、実際にハープやフルートで演奏をしている動画なども一緒にお届け出来ればと思いますので、ゆる~くお付き合いいただければと思います。
ということで、初回となる今回は、8月に入り夏真っ盛り!夏にちなんだ曲と、夏にハープで弾きたい曲をご紹介いたします。
夏の思い出(アイリッシュハープ&フルート) / 中田喜直

夏の思い出(アイリッシュハープ&フルート) / 中田喜直
旅路 (夢中飛行) 〜ひこうき雲 34弦アイリッシュハープ用

旅路 (夢中飛行) 〜ひこうき雲 34弦アイリッシュハープ用
さよならの夏〜「コクリコ坂から」より〜34弦アイリッシュハープ編

さよならの夏〜「コクリコ坂から」より〜34弦アイリッシュハープ編
いかがでしたか?
初回となる今回は、夏に弾きたい曲をご紹介しました。同じ「夏」とはいえ、旋律や、曲の背景によって、それぞれ違う「夏」のイメージが湧きますね。ジブリ楽譜はとても人気があり、幅広い世代から愛されている映画ですよね♪ジブリラックスシリーズの編曲は毛利沙織さんが手がけています。ジブリのほかにも毛利さんの編曲の楽譜がたくさんありますのでぜひ見てみてください。
毛利沙織 編曲シリーズ
photo by hoshner sigmaniax
【銀座サロン】8月6,7日休業のお知らせ
平素はご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。
2016年8月6日(土),7日(日)は、ビル休館日のため銀座サロンは営業をお休みさせていただきます。
なお、8月8日(月)からは通常通り営業いたします。
ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございませんが
ご理解の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
銀座十字屋ハープ&フルートサロン 銀座サロン
吉祥寺サロン2016年9月レッスンスケジュールのお知らせ
第505回 近石瑠璃さんによるハープ演奏
銀座サロン2016年9月レッスンスケジュールのお知らせ
【レポート】第504回 宮本あゆみさん(ハープ), 岩尾浩史さん(フリューゲルホルン)による演奏
ハープ×フリューゲルホルンという異色かつ極上な組み合わせ
2016年8月3日のランチタイムコンサートは宮本あゆみさんと岩尾浩史さんのお二人による演奏でした。ハープとフリューゲルホルンという異色の組み合わせです。お二人での出演は今回が2回目ということで、とても息の合った演奏をして下さいました。
最初に、演奏会の定番、グノーの「アヴェマリア」を演奏してくださいました。とても有名な曲なので、メロディは皆様よくご存知だと思います。ハープとフリューゲルホルンで奏でるアヴェマリアはとても美しかったです。ハープのきらびやかな音色とフリューゲルホルンのクリアな音色がとてもマッチしていました。
続いて、ルグランの「シェルブールの雨傘」です。シェルブールの雨傘は1964年のフランス映画で、全編音楽のみで出来ています。映画の情景が浮かぶような、お二人の素敵な演奏でした。また演奏前には、宮本さんによる映画のあらすじの紹介もありました。
3曲目には、「見上げてごらん夜の星を」を。坂本九さんのヒット曲としても有名な曲です。ジャズアレンジで、よく吹く機会があるという岩尾さん。「曲の良さを改めて見直したい」と、オリジナルに近いアレンジで演奏をしてくださいました。哀愁のある旋律が会場に響き渡り、昭和にタイムスリップしたような懐かしい気分になりました。
ちょっとブレイクタイムということで、ハープの宮本さんが、このランチタイムコンサートのために1ヶ月前から練習を始めたというトランペットを披露してくださいました。宮本さんの一生懸命な姿と、フリューゲルホルンで温かく伴奏をする岩尾さんの姿に、会場の雰囲気は一段と和やかなものとなりました。
そして4曲目はピアソラ「オブリヴィオン」です。岩尾さんは、この曲をフリューゲルホルンではなく、トランペットよりも音域が高い音がするピッコロトランペットに持ち替えて演奏されましたが、その音色の柔らかさ、優美なメロディにうっとりさせられてしまいました。
最後はアメリカ民謡の「リパブリック讃歌」です。この曲は、ともだち讃歌や、CM曲にも使われているのでご存知の方が多いと思います。
“讃歌”をより思わせるフリューゲルホルンソロで始まり、その後はテンポアップし、華やかなアレンジへ。お二人それぞれのソロパートも見どころでした。会場のお客様の手拍子も交えて楽しい演奏となりました。
お二人の楽しいトークと素敵な演奏で、あっという間に時間が過ぎた30分間でした。
Program
アヴェマリア / C.グノー
Ave Maria / C.Gounod
シェルブールの雨傘 / M.ルグラン
Les Parapluies de Cherbourg / M.Legrand
見上げてごらん夜の星を / いずみたく
オブリヴィオン / A.ピアソラ
Oblivion / A.Piazzolla
リパブリック讃歌 / アメリカ民謡
The Battle Hymn of the Republic / American Traditional
宮本あゆみ (ハープ)
四歳よりピアノ、六歳よりハープを始める。国立音楽大学附属小・中学校ピアノ科を経て高等学校よりハープ科に転科。国立音楽大学卒業。東京音楽大学大学院科目等履修卒業。
これまでにピアノを小原孝、ハープを篠崎史子、柏原靖子の各氏に師事。現在、ソロ、室内楽、オーケストラなど各所で活動をしている。昨年はステラオーケストラのメンバーとして、橋幸夫、中丸三千繪、篠崎史紀などのアーティストと共演。今年3月、サントリーホールにてラヴェルの「序奏とアレグロ」を演奏。
岩尾浩史 (フリューゲルホルン)


ハープ解体新書Vol.1 「ハープが誕生したのはいつ?」
2016年3月まで発刊をしていた人気季刊誌『銀座十字屋タイムス(旧・銀座十字屋通信)』で人気のあった連載「ハープ解体新書」をお届けいたします。
ハープ解体新書Vol.1 「ハープが誕生したのはいつ?」
よく「ハープはいつ頃、作られたのでしょうか?」という質問をされます。考古学的検証は学者の先生方にお任せするといたしまして、一般的には古代エジプトやメソポタミアからハープが使われたといわれています。
しかし、私たちはその説を鵜呑みに信じておりません。たとえば、現代でも宗教的儀式として残っている悪霊退散のための「弓を大空に向かって掻きならす」という行為。この音に注目したことはありますか?
そこで、どのような音が出るか実験してみました。 弓の一方の端を床に立てたり、逆さにしたり、すり鉢に立てて弓をはじいたり……。 すると、予想以上に大きな音が鳴るのです。
私が「悪霊退散」が盛んな時代に生まれていたならば、目的そのものより音楽的興味を持ったかもしれません。
もし、みなさんが古代エジプトやメソポタミアの時代に生まれていたら……想像が膨らみますね。つまり、ハープはとても古くから存在するということ以外、謎に包まれた魅惑の楽器なのです。
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ハープ解体新書 –目次 –
2016年3月まで発刊をしていた人気季刊誌『銀座十字屋タイムス(旧・銀座十字屋通信)』で人気のあった連載「ハープ解体新書」をお届けいたします。
ハープ解体新書 – 目次 –
Vol.1 「ハープが誕生したのはいつ?」
Vol.4 「弦の長さは、どうして違う?」
Vol.5 「ハープって高価?」
Vol.6 「モーツアルトの作品に、ハープ・フルートの曲が少ないのはなぜだ!!!」
Vol.7 「シングルアクションペダルハープ」
Vol.8 「クロマチックハープ」
Vol.9 「アルパについて」
Vol.10 「オーケストラでのハープ」
Vol.11 「箜篌(くご)」
Vol.12 「ハープのオクターブはなぜEから?」
Vol.13 「アイリッシュハープ」「ケルティックハープ」「レバーハープ」という呼び名について
Vol.14 「クリスマス」
Vol.15 「ハープとジャズ」
Vol.16 「ハープの地震対策、保管方法」
Vol.17 「世界のハープコンクール」
ハープ解体新書Vol.2 「音色の秘密」
2016年3月まで発刊をしていた人気季刊誌『銀座十字屋タイムス(旧・銀座十字屋通信)』で人気のあった連載「ハープ解体新書」をお届けいたします。
ハープ解体新書Vol.2 「音色の秘密」
シリーズ2回目のテーマは「音色の秘密」についてです。
ハープの響きって何とも表現のしようのない独特の美しさがありますよね。大変複雑な原理があの素晴らしい音色を生み出しているのですが、今回はその一部を解体していきましょう。
楽器の音色、たとえば「フルートがフルートの音に聴こえる」、「バイオリンがバイオリンの音色に聴こえる」のはなぜだと思いますか?このことは「音の波形」を見るとよく分かります。
まず表面が滑らかな波形。この波形はたとえば電話の受話器を耳にあてた時に聴こえる「プー」という音。あるいはラジオの時報音など。いわゆる自然界では存在しないと考えられる音で、音の高さを一定に合わせたら波形が同じなので一体何の音なのか判断できません。何とも味気のない音ですね(図Aを参照)。
次に図Bをご覧ください。
図Aと比べて波形がゴツゴツしているのが分かると思います。では図Cはどうでしょう。
図Bとはまた違っていて、それぞれ特徴的な波形をしています。実は、この「ゴツゴツ」がその音色を決定しているのです。私たちが楽器の音を聴いている時、常々頭で波形を思い描いているわけではありませんが、耳と脳の経験と働きにより瞬時に楽器の種類を当てることができるのです。周波数を変えても音量を変えても「これはハープの音色だ!」「これはホルンだ!!」と察知できるのです。すごいでしょう。
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ハープ解体新書Vol.3 「ライヤーはハープではない!?」
2016年3月まで発刊をしていた人気季刊誌『銀座十字屋タイムス(旧・銀座十字屋通信)』で人気のあった連載「ハープ解体新書」をお届けいたします。
ハープ解体新書Vol.3 「ライヤーはハープではない!?」
シリーズ3回目のテーマは「ライヤーはハープではない! ? 」
2001年に上映された映画「千と千尋の神隠し」。この作品の主題歌「いつも何度でも」で使われていた弦楽器“ライヤー”は、映画の人気とともに注目を集め、当時は「あのハープは十字屋でも売っていますか?」「どこの国のハープですか?」などといったお問合せをたくさんいただきました。
ところが残念!実はライヤーはハープではないのです。
そこで、今回はハープ(ハープ属)とライヤー(リラ属)の違いについてです。
ハープ属(図A)とリラ属(図B)の基本的な構造を見比べていただくとお判りになるように、リラ属には“駒”があるのに対してハープ属には駒がないのです。この駒は、弦だけでは小さすぎる音(振動)を効率的に響鳴板に伝えるためのもので、みなさんがレッスンで使用しているケルトハープ、アイリッシュハープやペダルハープ、それにアルパなどには駒がないのに対して、ライヤーには駒が付いています。ちなみにリラ属には、バイオリンやギター、チターなどがあります。
次回は、いよいよハープの核心に迫ります。
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